日記

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庵野秀明監督によるエヴァの「現実に帰れ」の説明 文字起こし

林原めぐみ Tokyo Boggie Night 19996年放送4月21日放送 

林原めぐみのTokyo Boogie Night ゲスト 庵野秀明 210回 1996年4月21日放送 - YouTube

4分30秒ごろから文字起こし

 

お便りコーナーにて

林原:庵野さんに質問 アニメに逃げ込んでるのではなく、現実に帰れ、という一言。あれはどうゆう意味だったのでしょうか。現実に立ち返るといのは世間を知るということなのでしょうか。自分にもわかるように嚙み砕いて説明してください。 ということで頂きましたねー

庵野:うーん

林原:先週ねぇ ずばっとねぇ 君たちは現実に帰れというようなことおっしゃいましたが

庵野:はい

林原:どうゆうことでしょうか ということです

庵野:もうちょっと まぁ 言ってしまうとですね なんていうのかなー あれ 自分の世界の狭さを知れってことなんですよね

林原:うんうん

庵野:まぁアニメに それで自分は逃げているんだと気が付いている人はまだオッケーなんですよ

林原:うん そうですね

庵野:それもわからずに ただそこに逃げ込んでて まぁおれは自分のアニメーションというのが ただの避難豪になるのが嫌だったんだよね

林原:うーーん

庵野:そこに行って 現実になんか戻る 何か力みたいなものがそこにあって そっからまたじゃあ現実世界に帰ろうか という気になるものがあればよかったんだけど

なんかねー なんていうかなー アルコール依存症みたいに なんかこう そこが気持ちよすぎたので そっから抜け出せなくなってる人が なんか周りに増えてきたんすよ それが嫌で とにかく 水かぶせて目を覚まして なんかこう現実に戻れっていうことだったんすけどね

林原:あー なるほどねー

庵野:つまりなんていうかなー 自分の物差しの小ささを知るには 他人の物差しとあててみないと 自分がこんなに持ってる物差しが小さいんだ で おまけにその物差しの1cmと思っているのが他人の1cmと感覚が違うっていう このズレ、ギャップっていうのは 実際に他の世界を見てみないと理解できないんだよね

林原:そうだねー

庵野:そこのことなんすよ まぁアニメばっかり見ていてもだめだと

林原:そうですねー

庵野:これは純粋なアニメファンで もう20年以上アニメファンをやってて それで行きついた 監督というところまである程度 自分でアニメを作るところまでいきついた人間が言うんだから まず間違いない

林原:ところがあると

庵野:だから言えるんだよ

林原:あーなるほど

庵野:ここまで来てるから俺は言えるんだよ

林原:うーん

庵野:これを全然アニメーション知らないが言ったら バッカでぇお前って言う 俺だって言う

林原:はっはっはっ

庵野:俺が言ってるんだから聞いてくれって言うんだよ そこをわかってくれよ もう

林原:声が裏返ってますけれども(笑い) ねぇ アニメーション愛してるからこそ言える 愛してきたからこそ言える

庵野:あれは自分に言ってる言葉でもあるんですよね

林原:んー なるほどねー

庵野:もちろん そうっすよ

林原:よくこの番組でも 時々言うことでもあるんですけど もし私の言葉でそれを言うとしたらなんですけど 現実ってじゃあ何っていう気持ちになるんだけど 現実というのはやはりその いま自分の身の回りの状況だと思うのね 身の回りの人だと思うですよ で たとえば親でもいい 先生でもいい あのー 人のせいにしちゃうっていうのが

庵野:そうそうそう

林原:結構 ほら こいつがこうだから 親がこうだから 人のせいにしちゃうと 少し何かこう つらいんだけど どっか楽なところに

庵野:楽なんだよね

林原:でもそれを わかってくれないじゃなくて わからせるにはどうしたらいいんだろうっていう風に あのー みんなわかってくれないじゃなくて 一人でも二人でもわかってくれる人を増やすためには じゃあどうしたらいいんだろうってことを考えていくと 一個プツンって 階段がその時に登れると トントントントンって行けたりすることもあって

庵野:そう とにかく 自分の部屋から外に出ようと

林原:そうですねー

庵野:自分の部屋にこもっててパソコン通信やってると 危ないっすよ 

林原:うーん 危ないですかねー でもその中にいる人たちにそうゆうことを言ってみた時に なぜって言われたときに なぜここにいちゃいけないんだいって言われたらどうしようっていう気持ちにもなるんですけどね わたし

庵野:うん それを全否定してるわけじゃないんすよ この間のやつも 一切見るなって訳じゃなくて アニメだけにすがるなって言ってるんだよね

林原:うーん なるほどね

庵野:他の事もやってみたら?というね

林原:うーん そうするともっと新しいものだったり 良いものだったり 全然違う幸せな感覚だったり 

庵野:そう アニメだけが 世の中で幸せを与えてくれるものじゃないんだよね

林原:うんうん なるほどねー ということです 少しはわかっていただけたでしょうかねー

庵野:私も最近わかりました

林原:そうゆう方もいるんです 安心してゆっくりわかってください(笑い)

庵野:30過ぎてやっとわかったバカもいますから

林原:自分でバカって言わないでください

庵野:おれバカだよ

林原:そうですかぁ?

庵野:うん

林原:まぁでもあんだけのね作品を作ってるんですから みなさん

庵野:だからバカだよね

林原:あーいたいいたいいたいもう もう一週ありますからちゃんとついてきてね

庵野監督 どうもありがとうございました。

庵野:ありがとうございました。

 

林原めぐみ Tokyo Boggie Night 19996年放送4月28日放送

https://www.youtube.com/watch?v=Aly2ba0ceFI

 2分35秒ごろから4分45秒ごろまで文字起こし

 

林原:続いてですね これちょっと考えちゃうのよねー えっとー 福島県のですね ペンネーム カルボナーラさん 林原さん 庵野さん こんばんは。僕はアニメに逃げている奴を無理矢理現実に帰らせると言いましたが、無理矢理という言葉は使わなかったかもしれないが、僕はアニメに逃げている人は、そのままそっとしておいてあげたほうが良いと思う。それは現実に帰されて、自分の目標とかが見つかった人は良いけれど、もし現実の世界で仕事も出来ない、自分の悩みを打ち明ける親友もいないなんてことになったら、もう一生アニメの中に入っていってしまう。だから、自分たちで気づくまでそっとアニメに逃げさせておいてはどうでしょう。という これは別にアニメでなくても言えることよね

庵野:まぁそうなんだよね

林原:あのーあのー 言いましたよね 両親かもしれない 母親かもしれない あのー 本かもしれない 何らかのスポーツかもしれない 何でもいいんだけど とりあえず逃げている場所ということなんですけど

庵野:そうなんすよね まぁ自分で気づけば良いんだけど なんか まぁつい言っちゃったっていうのはあんすよね

林原:まぁでも私が思うのは そのー 無理矢理 庵野さんは別に手を引っ張って こっちへ来い おらおらってやってるわけじゃなくて その気づくきっかけになりたい作品だったわけじゃないですか

庵野:まぁね なんかね なんか 本当に 提示してるわけじゃないよね

林原:そう

庵野:こうしろとかそうなってるやつじゃなくて

林原:そうそうそう そうなの

庵野:なんかきっかけになればいいというやつだね 何か結びつく 何か関係の ちょっとした 何かこう触れ合いみたいなものがあれば それで良いと思うんすよ そうゆうものになれば良いなというね だから俺みたいになれとか 全然言ってないんだよね

林原:言ってない 言ってない

庵野:こうなれとかね

林原:全然言ってない

庵野:そうゆうのじゃないですよ どっちかっていうとなっちゃダメだって言ってるような気が(笑い)

林原:どうだろうか それは なんとも言わないけど(笑い) でも要するに 私なんかもー 良く自分の曲 たとえば 例を挙げると「頑張って」という曲があるんですよ それを聞いて すごく頑張れたという人もいるし これ以上何を頑張れっていうのっていう気持ちになる人もいるし

庵野:うん 人それぞれ

林原:でもそれはこちら側から色んなボールを投げるけども 受け取るのはあなたたちで

庵野:そう

林原:感じるのはあなたたちというところなんですよね

庵野:そこに嘘はつかないで欲しいし なんかねー あの それを自分で認める行為っていうのはやって欲しいんすよ

林原:なるほどねー

林原:自分で自分に嘘をつき続けると これはつらいから まぁ それを自覚してれば

それで良いっすってことっす

は:なるほどねー じゃあここで会報*1テレビサイズバージョン 第26話 Fly Me To The Moon

 

 

*1:意味不明なので聞き取りミスか